深谷里奈のエコヂカラ!【第23回】「奇跡の柚子」から学ぶこと

ラジオでも公言していますが、私、果実を「もぐ」のが大好きなんです!

近所を散歩していると、立派な柑橘(かんきつ)がたわわに実っているのに…取らずにそのままの家庭の多いこと。うう~もぎたい…という欲求が湧き出てきますが、我慢しています(キッパリ!※当たり前です)。

岐阜県多治見市の実家の庭にも柚子(ゆず)の木があり、年に1度収穫するのですが、これがビックリ、200個はとれるんです。1年間、肥料はおろか水さえもやっていない柚子。日本で一、二を争う暑さで有名な多治見の夏をものともせず、たくましく実をつけてくれます。これは私にとっては「奇跡の柚子」です。

多治見の実家で私がもいだ柚子

もともと柚子は他の柑橘に比べ病気に強く、無農薬栽培が比較的簡単だそう。成長が遅いことを揶揄(やゆ)して「桃栗3年、柿8年、柚子の大馬鹿18年」などといわれるそうですが、いやいや、強くて良い子です。

そのたくましい柚子の実。自然の恵みですから、余すことなく使います。

まず、果汁を絞って1年分のポン酢を仕込みます。昆布、カツオ節、米酢、しょう油、柚子果汁を合わせて寝かすだけ。絞り終わった皮は、同量の砂糖と合わせて酵素ジュースの素にします。

そして、種。柚子は種が多いのが特徴で、1つの柚子に種が10個は入っています。そして、ぬるぬるとしたゼリー状のものに覆われています。これが実は、美肌にいい!

保湿効果が高く、メラニンの生成抑制や美白効果があるとの情報を知ってからは、種を捨てるなんてもったいないと「柚子化粧水」をつくっています。これが簡単。柚子の種に対して、5倍くらいの日本酒か焼酎を入れるだけ。私は大ざっぱなので目分量でやっていますが、柚子の産地・高知県馬路(うまじ)村の柚子のウェブページを調べると、「種280㌘に対して焼酎1.8㍑」が適量だそうです。密閉できるガラス瓶に入れて冷蔵庫で1週間、1日1回、上下にひっくり返してください。たったこれだけで、とろみのある化粧水ができちゃいます。

種を仕込んだ化粧水。これで“柚子美人”に!?

もちろん無農薬。柚子の種だけを通販で売っているくらい、重宝されているみたいです。使い切れなかった種は冷凍したり、乾燥させたりして保存も可能です。

太陽の恵みだけでたくましく生きている柚子の木を見ていると、自然のたくましさを感じるとともに、色々と与えすぎな現代の生き方を見直さなければと思います。栄養を与えすぎな自分にも…。最近、『奇跡のリンゴ』の木村秋則さんの本を読んだ影響かも知れませんが、「シンプルにたくましく生きる」ことを、柚子から学びました。

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fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサー。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は3月1日(水)17:17ごろからの予定!