春を感じるきょうこのごろですが…この冬、薪(まき)ストーブを体験してきました!
以前から「薪ストーブの魅力を体験においで」と誘ってくれていた、岐阜県多治見市の廣地(ひろち)義範さん。銀行マンとして全国を飛び回り、50歳からは中部国際空港に携わって開港準備や運営業務に奔走しました。
しかし、たまの休みには数々の山に登り、奥さまとの出会いも登山だという「山男」。山小屋の薪ストーブにあこがれ、リタイア後は薪ストーブ導入をテーマに自宅を建て替えてしまいました。
自慢の薪ストーブはノルウェー製。リビングは吹き抜けになっていて、薪ストーブからは7㍍の煙突が伸びています。煙突からの熱で、温まった空気を天井に設置したファンが動かし、部屋だけでなく家中があったか。玄関からあったかいんです。冬の間、他の暖房機器を使うことは一切ないそう。薪ストーブの威力、すごい!
リビングにぱちぱちと燃える炎。火の管理も大変なのではと尋ねると、廣地さんは「ココを回すだけ」と、前面に付いているつまみを回しました。すると一気に火の勢いが大きくなって…絞ると小さくなるんです。このつまみは空気の調整弁。たまに薪を補充するのと、酸素量を調整するだけ。家を空けるときも、つまみを絞って小さい火にしておけば大丈夫。
薪はすぐに使えるものではなく、しっかり乾燥するまで「寝かせる」必要があります。廣地さんの薪は「2年もの」。ちゃんと乾燥した薪なら、すすや煙も少なく、9年前に薪ストーブを使い始めてから、苦情は受けていないそうです。最後に出たすすは、これまたリタイア後に始めた畑のたい肥に混ぜ、できた野菜をご近所に配ると、今度は植木の手入れで出た枝がもらえるそう。立派な循環システムができていました!
中部森林管理局の森林ボランティアにも入会し、間伐や薪割りの方法をマスター。ひと冬で4㌧も必要となる薪を「すべて買っていてはコストがかかる」と、知り合いのゴルフ場や植木屋さんから間伐材を譲り受け始めました。さすが元銀行マン、コスト意識も違います。
薪を保管しておく薪小屋を増築したり、年に1度は専門業者に煙突掃除を頼んだり、たまには煙突からスズメが入ってきたり…。何かと手間もかかる薪ストーブですが、輻射熱の気持ちよさ、火の揺らぎを見るぜいたくな時間は、何にも変えがたい幸せがあるとのこと。「男のおもちゃとして最高だ」と、胸を張る廣地さん。薪割りのおかげでゴルフの飛距離も伸びたそうで…リタイア後だからできる、すてきな時間を過ごしているようでした。
いつかは薪ストーブ、あこがれですね。
ふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサー。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は3月29日(水)17:17ごろからの予定!