南米ベネズエラから廃棄物管理などの研修に来ている視察団が20日、名古屋市中村区の独立行政法人国際協力機構中部国際センター(JICA中部)で報告会を開き、日本のごみ施策を参考にした環境づくりなどについて話し合いました。
一行はベネズエラの環境省職員や石油化学公社エンジニア、大学講師、市民団体のコーディネーターなど産官学の幅広い立場の11人。JICA中部の招きで1月上旬に来日し、名古屋を拠点に三重や京都などを訪問、ごみ処理や環境教育の現場を視察してきました。1月末にはリユースびんを使った日本酒「めぐる」を醸造する愛西市の水谷酒造の酒蔵も訪れました。
この日は視察の成果を生かし、それぞれが自国で取り組む活動計画(アクション・プラン)について発表。コーディネーター役として名古屋大学大学院環境学研究科の竹内恒夫教授やNPO法人中部リサイクル運動市民の会代表理事の永田秀和さんらとやりとりをしました。
環境省メリダ州支部環境保全調整課のバレンティナさんは、ごみ分別の意識が国全体に乏しいため、環境省職員が率先して家庭でごみ分別に取り組む計画を作成。「1年で30%、2年で50%、3年で60%の職員が分別できるよう、教育や意識啓発をしたい」と目標を示したところ、「1年で30%の目標は低いのでは? 80%ぐらいでないと」と竹内教授から指摘され、思わず照れ笑い。
リサイクルに取り組む市民団体「エコクリック」コーディネーターのマリッサさんは、カラカス市の小学校で環境教育を進めるプロジェクトについて説明。「教材やプログラムをつくるために資金が必要」と訴えると、永田さんが「資源回収量に応じてお金の入る名古屋の集団回収の仕組みを参考にできないか」とアドバイス。他のメンバーからも「民間企業の社会貢献活動として資金を集めるべきだ」などと活発な意見が飛び交いました。
すべての研修を終えた一行は21日、帰国の途に就く予定です。