深谷里奈のエコヂカラ!【第39回】かわいく直す「ダーニング」が面白い!

突然ですが我が家の息子も2年生、最近よくズボンの膝に穴が開いてます。そこで、ちょっとした穴をかわいらしく補修する「ダーニング」を習ってきました!

ダーニング(darning)とは英語で「かがる、繕う」という意味。欧米で古くから伝わる修復方法です。普通、服の修繕は直した部分が見えないことを重視しますが、最近注目のダーニングは「装飾ダーニング」とも呼ばれ、繕った部分をあえて目立たせ、楽しもうというのがコンセプトです。

私が参加したのは以前、このコーナーで紹介した江南市の「靴下のhacu(はく)」(TEL 0587-55-5075)で開かれた講座。補修するものは靴下以外でも大丈夫(笑)。皆さん、引っ掛けてしまったストールや虫食いのセーターなどを持ち寄っていました。

江南市の「靴下のhacu」で開かれたダーニング教室。中央が講師のTaroさん

先生役は女性ですが「Taro」と名乗る岐阜県の作家さん。もともとアパレルで洋服をつくっていたTaroさんは、安い服を買ってすぐに捨てる最近の風潮になじめず、もっと洋服を大事にしたいと思っていたときにダーニングと出合いました。見よう見まねで習得していくうちに「ダーニングは誰でも簡単にできて自分にぴったり。一人でも多くの人に広めたい」と熱い思いに駆られ、自ら教室を開催するように。現在は愛知県内の文化センターや雑貨カフェなどでも教室を開いています。男子2人のお母さんでもあって、ダーニングを知ったおかげで「1シーズン長く服が使える!」とも強調していました。

衣類に穴が開くと、裏側から布をつまんで縫ったり、あて布をしたりと補修の方法はいろいろありますよね。でも、ダーニングに必要なのは針と糸だけ。それも刺しゅう針やクロスステッチ用の先が丸い針なので、刺さる心配も少ないです。

補修する布は穴の形状がわかるよう、「ダーニングマッシュルーム」と呼ばれるドアノブのような木型にかぶせ、ゴムでとめます。写真の木型はTaroさんオリジナルですが、電球や「ガチャガチャ」のカプセルでも代用できるそうです。

そして、まず一気に縦糸をさし、次に横糸をさします。横糸は先に縫った縦糸を一本ずつ、すくうようにして縫っていくので、小さな織物ができていく感じ。縦と横で糸の色を変えても面白いし、太い毛糸で縫えばカラフルカジュアルに、サテンやラメの糸で縫うとゴージャスになります。

鮮やかな色の糸で穴をふさぎながら、かわいく目立たせる。逆転の発想!

「穴をふさぐ」って、本当は目立たせたくないのに、あえて目立つよう鮮やかな色を選んでしまうのも面白いところ。今回の参加者は全員、ダーニング初体験だったのですが、一同「これは…はまりそう~」。短時間で完成するのに“達成感”があるのも楽しさの理由です。

私の家にも捨てられない服やストールがありますが、ダーニングでまた生かせる、捨てなくてもよさそう!とワクワクしちゃいました。

見よう見まねでもすぐにできちゃうダーニング、ぜひやってみてください。Taroさんの情報はインスタグラム「taro_nuinui」で。

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fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサーなど。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は2018年7月4日(水)17:17ごろからの予定!