イギリスの庭園評論家、歴史家として世界的に知られるティム・リチャードソンさんが6日、名古屋市中区の名古屋都市センターで講演し、自身が総監督を務める花と緑のイベント「チェルシー・フリンジ・フェスティバル」を紹介しました。
「チェルシー・フリンジ」は、王立園芸協会が主催するロンドン・チェルシー地区の伝統的なフラワーショーに対し、市民による新しいスタイルのガーデニングフェスティバルを開こうとリチャードソンさんが呼び掛けたイベント。2012年から毎年開かれ、昨年は5月から6月にかけての約3週間、ロンドンを中心に各地で250以上のイベントが催され、20万人近くが参加したそうです。
街角の花壇づくりから植物を使ったアート、演劇、野菜を「楽器」にした演奏会や、ドレス姿の女性が「肥溜め」を運ぶパフォーマンスまで、ほぼ何でもありの自由さが売り。リチャードソンさんは「合法的であることなどを守れば何でもやってもらうので、誰も予期しないことが起こる。それを通して、普段住んでいる街に未知の場所が発見できる」と意義を強調しました。スポンサーはつかず、ボランティアの運営で成り立っているといいます。
反響は世界中に広がっており、ロンドン以外の都市にも「サテライト」会場が続々と誕生。今年はウィーンに加えて、名古屋もサテライトに名乗りを上げています。緑化団体などが「チェルシー・フリンジ・アット・ナゴヤ」として5月16日から6月7日に開催、それをプレイベントとする「ひらひら日本2015」というガーデニングフェスティバルが9月12日から11月8日にかけて計画されています。
この日は、ひらひら日本実行委員会の井上忠佳委員長(花緑元気研究会会長)から、リチャードソンさんにオリジナルTシャツが手渡されました。リチャードソンさんは「名古屋は初めて来たが、立派な公園も多い。イギリスでは90%の参加者が女性なので、名古屋でも女性を巻き込んだイベントにしてほしい」などと話していました。