深谷里奈のエコヂカラ!【第30回】野菜極めるカフェで「私」の時間

夏バテすることもなく元気に過ごした私ですが、必要ないのにスタミナをつけようとしたため体重も右肩上がり…。野菜中心のごはんがいいなあと思ったときに行くのが、昭和区川名にあるカフェ「ごはんとおやつとひとときと」です。

雑居ビルの1階にこぢんまりと構える店舗を一人で切り盛りするのは、中村江里さん。オーガニックカフェで働いていた経験を生かして2012年に自分の店をオープンさせました。一人の時間をゆっくり過ごしてほしいから、店内はカウンターと小さなテーブルの造りに。自身も一人でカフェに行くのが好きで、カウンター多めの店にしたそうです。

かわいらしいカフェを切り盛りするかわいらしい中村江里さん

20代前半に一人暮らしを始めたころは「健康オタク」だったという中村さん。よいと思うことを、それこそ何でもストイックに実践していたそうです。そんなときに出合ったのが、マクロビオティックの本と、その中にあった「地産地消」「身土不二(しんどふじ)」という2つの言葉。前者はRisa読者ならおなじみ、地元のものを地元で消費するという意味、後者はもともと仏教用語で「身」(今までの行為の結果)と、「土」(身がよりどころにしている環境)は切り離せない、という意味。そこから派生して「地元でつくられる食品や伝統食が身体によい」として、食養生の世界では大切な言葉となっています。この2つが中村さんにとって「これだ!」と、すとんと腹に落ちて、野菜料理の道が始まったそうです。

はじめは動物性のものは使わないと、野菜中心で料理していました。でも、試行錯誤する中でカツオだしも使ってみると、とってもおいしい。じゃまするのでなく、カツオだし(動物性のもの)が野菜(植物性のもの)のおいしさを引き立てると気づき、今はちりめんジャコなど、ある程度の動物性は使うようになりました。

ランチメニュー(おひるごはん)は野菜のおかず5品とご飯とスープのお任せですが、野菜といってあなどるべからず! これ、私自身が感じたことですが、すごくおなかいっぱいになるんです。

野菜中心でボリュームたっぷり!のランチ

一つのおかずの中でも違う食感が合わせてあったり、コロッケもつぶしたホクホクジャガイモの中に千切りのしゃきしゃきジャガイモが入っていたりして驚きがある! 私も一応、主婦なので毎日ごはんをつくっていますが、中村さんのごはんを食べると何かしら新しい発見があって、料理のレパートリーが増えるんです。

また、5種類の野菜のおかずが小さな器に一つ一つ盛り付けられていて、器を手に取るのも楽しい。作家ものの器で提供される野菜たち。いただく私も野菜にとっても幸せなひとときです。

「自分がおいしいと思うものを出しています」と自信を持って言い切る中村さん。土なべで炊いたごはんがおいしいのはもちろん、卵・バター不使用の焼き菓子やスコーン、豆乳プリンなども楽しめます。(どら焼きやドーナツには卵を使用)。野菜の食感、かむ楽しみとともに、おいしい時間が過ごせますよ。

地下鉄鶴舞線「川名」駅から徒歩3分。木金曜休み。おひるごはんは11:00~、日替わりお任せメニューで1,420円、2人までの完全予約制。14:00〜17:00まではおやつタイム。予約はメール(g.o.hitotoki@gmail.com)で。

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fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサーなど。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は10月4日(水)17:17ごろからの予定!