深谷里奈のエコヂカラ!【第40回】地域の歴史と環境知る頼もしい先輩!

もうすぐ夏休み。旅行の計画を立てている方も多いと思います。家族や仲間だけで楽しむのもいいでしょうが、私は行く先で「ボランティアガイドさん」をお願いして、より「詳しく知る」旅にしています。

これまでも八ヶ岳登山や金沢の兼六園、鳴門の渦潮などでガイドを依頼。もちろん東海地方にも多くのガイドさんがいますが…実は東海ラジオの先輩で「津島おもてなしコンシェルジュ」として活躍する女性がいたのです。それが今回ご紹介する加賀淳子さん。

ボランティアガイドとして天王祭などの解説をする加賀淳子さん

加賀さんは稲沢市出身で、結婚を機に津島へ。東海ラジオでは総務畑でフルタイムの仕事を続けました。でも、気づいたら「職場に向かうため駅までの道を行き帰りするだけで、津島について深く知らないまま25年を過ごしてしまった」と反省。さらに放送局で仕事をしているのに、声が小さくて「え?」と人から聞き直されるのが嫌で、会社の外のあるアナウンス入門講座に7年前から通い始めました。その中でレポート練習があり、津島のことを題材にしたら大好評!

そうするうちに、市のシティプロモーション課が「津島おもてなしコンシェルジュ」育成講座を始めるとのことで参加。祭りや町歩きの企画で、多くの人に津島の魅力を伝えることになったんです。現在は副代表まで務めています。

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津島市は夏の天王祭を筆頭に、春は藤まつりなどさまざまな祭りがあります。天王祭は2年前、ユネスコの無形文化遺産に登録され、海外からの注目も集めています。

この祭りが始まったのは今から600年前の室町時代。津島神社にまつられる荒ぶる神、牛頭天王を喜ばせて、疫病を鎮めてもらおうと始まりました。

川面に映るちょうちんの明かりが勇壮な宵祭。真ん中に1本立つ真柱には月を表す12個のちょうちんが、半円形に見えるまきわらには日を表して365個のちょうちんが付けられ、1時間半かけて明かりを灯していきます。すべてろうそくなので、最初に火をつけたちょうちんから最後のものまで、消え終わりが同じ時間になるよう、ろうそくの太さが違うそうです。

昔は何千本ものろうそくは大変高価でした。でも、港町の津島は江戸時代に「信長の台所」とも呼ばれ、隣の勝幡(しょばた)城で生まれた信長を港の潤沢な資金で支えたことから、尾張藩の寄進もあって豪華な祭りになったようです。

有名なのは夜の宵祭ですが、本番は翌朝の朝祭。一晩で飾り付けを一変した船から、津島神社の本尊がある旅所(たびしょ)へ鉾(ほこ)を泳いで届け、神社に奉納するまでが祭り。まきわら船は津島を代表する5つの村が出し続けていますが、朝祭は現在、愛西市となっている旧市江村からの船を合わせた合計6隻となります。

…と、そんな祭りの全容は、加賀さんにお聞きするまで知りませんでした。恥ずかしながら宵祭しか見たことがなかったのです。私も反省!

今年は宵祭が7月28日(土)、朝祭が29日(日)です。会場では加賀さんをはじめ47人のコンシェルジュが、天下一の川祭りについて解説をしているはず。町歩きツアーも企画されています。「歴史ある町の魅力と環境に触れるよい機会となりますよ」という加賀さんを見つけて、ぜひ話を聞きながらそぞろ歩いてみてください。

メール omo2468@yahoo.co.jp

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fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサーなど。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は2018年8月29日(水)17:17ごろからの予定!