将軍・家康、「どまつり」から名古屋を語る

Risaでコラム「ジネンで行くのじゃ」を連載中の名古屋おもてなし武将隊・徳川家康が14日、街のキーパーソンと名古屋の将来について語る「将軍談義」を名古屋テレビ塔で開きました。3回目となる談義のゲストは、「よさこい」のステージを中心に200万人以上が参加する、名古屋の夏の風物詩となった「にっぽんど真ん中祭り(どまつり)」を立ち上げた同祭り文化財団専務理事の水野孝一さん。その誕生秘話から今後の展望などについて、家康がトークで掘り下げました。

1976年、岐阜県瑞浪市に生まれた水野さんは中京大学在学中、北海道・札幌の「YOSAKOIソーラン祭り」に参加。「サークルの新入生のために作った歌をあるコンテストに出したら優勝し、札幌までの航空券が手に入ってしまった」という偶然もあったそうですが、そこで札幌の熱気やホスピタリティー、そして「同年代の大学生が頑張っている」姿に刺激され、名古屋でも同じような祭りを実現しようと思い立ったそうです。

内定していた就職先もけって、仲間とともに名古屋中の企業などを回って資金集め。「最初は思いが言葉にならなかったけれど100社、200社、300社と回るうちに自分の言葉が相手に響くようになってきた。そしてそれを具現化してくれる大人に出会えた。名古屋にはそういう人たちがいる」と振り返った水野さん。

家康は「広大な平野を抱える尾張の国では、遠くの人とも仲良くすることが大事じゃった。それゆえ改革者やかぶき者、先見の明を持つ者が生まれ、信長や秀吉などの天下人が出た。水野殿も祭り界の天下人になってもらわねば」などとこたえました。

「どまつり」から名古屋の将来を語った(左から)徳川家康、水野孝一さん、西川千雅さん
「どまつり」から名古屋の将来を語った(左から)徳川家康、水野孝一さん、西川千雅さん

半年間で1300万円以上の資金を集め、1990年8月に初開催された「どまつり」。分け隔てない市民参加型の新しい祭りのスタイルを提示し、規模は毎年拡大。2010年には約200チーム、23,000人以上が一斉に踊る「世界一の総踊り」としてギネス世界記録にも認定されました。

「名古屋には地元の踊りがないと思ったので、それぞれのご当地の踊りを持ち寄ってと呼び掛けた。いま考えると逆転の発想で、それがうまく受け入れられた」と成功のカギを明かした水野さん。一方、質疑応答で神奈川県から来たという女性からは「まだ関東では知られていない」との指摘も。今後はさらに「ファン」を増やして「おもてなし日本一、いや世界最大級の祭りにしたい」と目標を語り、家康から「祭り奉行」の肩書きを授けられました。

トークの合間には、どまつりの名古屋学生チーム「鯱(しゃち)」メンバーが登場。100人近くの観客や第1回ゲストのDJクリス・グレンさん、第2回ゲストの日本舞踊西川流家元、西川千雅さんとともに踊りを披露し、会場は寒さを吹き飛ばす熱い「どまつりムード」に包まれました。

どまつりの名古屋学生チーム「鯱」とともに踊る参加者
どまつりの名古屋学生チーム「鯱」とともに踊る参加者