若い世代の視点から地域の未来を考える「名古屋わかもの会議」が17日、名古屋市東区の市政資料館で開かれ、10-20代の若者約80人が「防災」をテーマに熱く討論しました。
「愛知・名古屋をわかものから盛り上げよう」と有志の実行委員が立ち上がり、昨年3月の初開催に続いて2回目の開催が実現。
南海トラフ巨大地震の発生が想定されるこの地域を考えるのに欠かせず、11月に名古屋でユネスコ世界会議のある「ESD(持続可能な開発のための教育)」の課題の一つでもある「防災」がテーマに選ばれました。
参加者は午前中、5つの分科会に分かれて市の港防災センター、防災指令センター、熱田神宮などをフィールドワークとして回り、午後は10グループになって「教育」や「まちづくり」「観光」などの視点から防災を討論。それぞれに意見を政策提言(マニフェスト)としてまとめていきました。
初対面の高校生や大学生、地元や東京の学生も交じった話し合いでしたが、「LINE(無料対話アプリ)っていざとなったら使えるのかな?」「携帯が使えない人のケアも考えるべきでは」「防災訓練はやらされるものだったけれど、これからはなぜするのか理由付けが必要」などと、共通の話題や感覚を探りながら議論を深めていった参加者。2時間以上にわたる議論の末、最後は協力してアイデアを一つのタイトルにまとめたり、模造紙に書き出したりしていました。
新開輝夫副市長らを審査委員に招いて各マニフェストを発表。審査の結果、市長賞には区ごとに学生チームをつくって若いリーダーを育てるべきだという「わかもの自治会」を提案したグループが選ばれました。マニフェストの内容は県議会や県教委にも提言する予定。
実行委員代表で法政大学2年の水野翔太さんは「テーマがあいまいだった第1回に比べ、テーマを絞った今回はいい議論ができた。これをしっかりと県や市に伝え、実際に地域を動かしていきたい」と話していました。次回は来年3月に開催予定だそうです。