8月号の紙面では、捨ててしまいがちなエビの殻を利用した冷製スープのレシピを考えました。
ところがです、いざ調理のため「頭つきのエビ」を探しても大手スーパーは軒並み売っていない。
頭の部分は痛みやすいし消費者もそれほど必要としないため流通の過程で捨てられてしまうのでしょう。
食品ロスの問題はなかなか根が深い…と独りつぶやきながら探し続けますと、デパートや高級スーパーであれば頭つきエビが売っていました。
でも普通の人がつくれないのでは意味がない。
結局、業務用スーパーでアルゼンチンのエビ(1匹100円程度)を購入し調理しましたが、ふと見れば調理後のザルにまだエビの殻が残っています。
(これほど苦労して手に入れた殻、まだまだ食べる方法はないのだろうか…?)
エビの頭は、揚げるとサクサクし、おつな味わいがします。
そろそろ骨粗しょう症予防もしなくちゃね~と思いながら、さらにそれでかきあげをつくることにしました。
食べきるってなかなか大変です。
ちなみに、お味はやっぱりダシにする前のエビの殻の方が良かったです。
エビの殻のかき揚げ【材料(4人分)】
・エビの頭と殻…5匹分
・みつ葉…半把
・人参…2㎝
・玉ねぎ…半分
・小麦粉(まぶす用)…大さじ2杯
天ぷら衣
・小麦粉…50g
・卵…半分
・冷水…70ccぐらい
・揚げ油…適量
【作り方】
- 野菜を1~5mmの千切りにします。
- 冷水・卵・小麦粉をさっくりと混ぜ合せ天ぷら衣をつくります。
- 野菜とエビの殻全体に小麦粉をまぶします。
- 天ぷら衣と野菜を合わせ、手や菜箸でよく混ぜ、4つのボウル状に分けます。
- 真ん中をくぼませ170℃の油に入れ、固まってきたら裏返します。しばらくしてからまたひっくり返し、菜箸で持ち上げたとき、小さくふつふつと振動していたらでき上がりです。
【ここがにじゅまる!】
エビの殻はカルシウムがたっぷり含まれています。かきあげの具や素揚げにして成長期のお子さんや骨粗しょう症になりがちな女性の食事に活用してみましょう。
河野香織(かわの・かおり)
国際自然保護連合日本委員会「想いでつなごう!おりがみアクション」事務局スタッフ。名古屋で開かれた生物多様性条約締約国会議(COP10)で生物多様性を守るため「2020」年までに世界がするべき「20」の目標を掲げた「愛知ターゲット」を達成しようと呼び掛ける「にじゅうまるプロジェクト」とも連携。おりがみや得意の料理を通じて、命の大切さや環境を考えるきっかけづくりをしています。
過去の連載はコチラ→「いただきます」から「ごちそうさま」まで