【第4回】煮物の味は人生の味
小さなころ、煮物があまり好きではなかった。
「味がない」と思っていたから。
でも、この年になると、そこにはたくさんの味が含まれていると分かる。
野菜の味、肉の味、そしておだしの味。
煮物はすぐ食べてもおいしくない。
たっぷりしただしでゆっくりと煮て、一度冷めるまで置いておくと、芯までだしが染み込む。
じっくりかけた時間が素材をおいしくする。
皮も葉も細かく刻み練り込めば、色どりきれいな肉団子に変わる。
大切に扱えば、きちんと相手に伝わるのだろうか。
若いころは気がつかない人の優しさや愛情が、このごろやっと分かるようになってきた。
人にも、煮ふくめる時間が必要なのだろう。
【野菜の含め煮】
★ダイコン・・・3cm
★ニンジン・・・1cm
★鶏ひき肉・・・100g
★コンブ、カツオ、干しシイタケで取っただし汁・・・1カップ
★塩、酒、しょう油、みりん・・・小さじ1杯
① コンブ、カツオ、干しシイタケのだし汁を取ります。
② ダイコン、ニンジンは皮をむき、火の通りやすい大きさに切ります。
③ 干しシイタケの軸、ダイコン、ニンジンの皮、ダイコンの葉を細かく刻みます。
④ 鶏ひき肉に塩をひとつまみ入れ、刻んだ野菜とこねます。
⑤ だし汁に調味料を入れ、ひと煮立ちさせます。野菜とスプーンで丸めた肉を入れます。
⑥ 落としぶたをして10分ほど弱火~中火で煮ます。そのまま冷まします。
⑦ きれいに盛りつけます。
※薄めの味に煮汁をつくり、煮上がった状態で一度冷めるまで置いておくと、芯まで味が染み込みます。
河野香織(かわの・かおり)
国際自然保護連合日本委員会・想いでつなごう!おりがみアクション事務局
日本の伝統文化「おりがみ」を通じ、「愛知ターゲット」と「生物多様性」の大切さを伝え、子どもたちに環境について考えるきっかけづくりをしています。