今年は2005年の愛・地球博(愛知万博)開催から10周年の節目です。僕は当時、10歳の小学生でした。ちょうど父の転勤で滋賀県に住んでいたので、家族と一緒に万博会場へ行ったのは一度きり。会場の様子ははっきりと思い出せないのですが、ごみの分別が厳しかったのを鮮明に覚えています。
その後、環境活動に深くかかわるうちに、万博のメーンテーマが「自然の叡智(えいち)」であったことや、会場をめぐる回廊「グローバルループ」が木製チップで舗装されていたこと、各国のパビリオンが再利用しやすいモジュール方式と呼ばれる構造物だったことなど、環境に対して数々の配慮があったと知りました。
あれから10年。僕たちの環境に対する気持ちや取り組みはどうなっているでしょうか。僕は意識が薄くなってきているのではないかと思います。周りには環境保全やリサイクルに取り組む学生や大人も多くいますが、まだまだ限定的だからです。
万博会場だった愛・地球博記念公園(モリコロパーク)では今年9月から11月にかけて「全国都市緑化あいちフェア」が開かれ、万博の理念が再び発信されます。僕はこのイベントのPRサポーターを務めることになりました。この機会にもう一度、ごみ問題などの身近な視点から、都市景観や異常気象などの大きな視点まで含めた「環境」をあらためて考えるきっかけにしていければと思っています。
みずの・しょうた 1994年生まれ。瑞陵高校(瑞穂区)在学中に国連の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)にボランティア参加。会議後に学生環境団体「NEO」を設立、昨年はESDユネスコ世界会議にも参加するなど、若者の声を世界に発信しています。