「LGBT」という言葉をご存知ですか。女性同性愛者(Lesbian)、男性同性愛者(Gay)、両性愛者(Bisexual)、性同一性障害を含むトランスジェンダー(Transgender)の頭文字を取った言葉です。これまであまり真正面から目を向けられていませんでしたが、多様なライフスタイルが認められつつある現代で存在感が強まり、若者の間でも関心が高まっています。
海外では同性婚が合法化された国があり、日本でも渋谷区で同性パートナーシップ条例が制定され、今年の名古屋市議選ではLGBTの方が立候補するなどの動きが出てきています。日本の人口の7.6%、つまり1,000万人近くがLGBTだという数字も目にしました。
実際、僕も名古屋の同級生にそういう子がいます。中学生のころは学校を代表するくらい前に立つタイプでした。そんな彼がLGBTだと正直に告白してくれたとき、僕は少し驚きました。でも、それで引いたり、避けたりしようとは思いませんでした。むしろ、彼を通じて多様な生き方を考えていきたいと強く感じたのです。
今、彼は東京の大学に通いながら「ReBit(リビット)」というNPO法人に参加して、LGBTのように多様な生き方があると伝えています。学校への「出張授業」や、就職活動を支援する「LGBT就活」などの活発な活動があるそうです。「多様性」は環境問題や政治、あるいは昨年、名古屋で国際会議のあったESD(持続可能な発展のための教育)のキーワード。幅広く、深い問題ですが、僕なりに、若者なりに向き合いたいと思っています。
みずの・しょうた 1994年生まれ。瑞陵高校(瑞穂区)在学中に国連の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)にボランティア参加。会議後に学生環境団体「NEO」を設立、昨年はESDユネスコ世界会議にも参加するなど、若者の声を世界に発信しています。