前々回のコラムで少し書きましたが、僕は小学生のころは滋賀県に住んでいました。滋賀といえば琵琶湖。5年生のときには琵琶湖の水質や生き物を調べるため、1泊2日の課外学習がありました。専用の船に乗って湖に出て、そのまま寝泊まり。つまり琵琶湖の上で1泊したということです。いま思い返してもすごく貴重な経験でした。
琵琶湖は日本最大の湖であり、「ラムサール条約」に登録されている国際的な保全水域。さらに近畿地方約1,520万人の飲み水にもなっています。ところが水質汚染や外来種の侵入などの環境問題はまだまだ深刻です。僕はそれらを自分の目で見て、体験をして「水」や「環境」に興味を持ちました。
今年3月に開いた「第3回名古屋わかもの会議」は、名古屋港を会場にしました。世界に誇れる名古屋港を市内外の仲間に知ってほしいという狙いが第一でしたが、ふ頭の開発や藤前干潟を抱えている港の環境も感じてもらえればと思っていました。実際に船で港に出てみたり、港湾関係者から話を聞いたりしたところ、僕も含めてみんな名古屋港についてあまり知らないことに驚きました。
海や川は当たり前にあり、水は蛇口をひねればいつでも出てくると思ってしまいがち。でも、決してそうではないことを琵琶湖や名古屋港、あるいは地元の山崎川などから学んでいます。そして、一人ひとりが当事者意識の持てる社会をつくっていかなければと思っています。
みずの・しょうた 1994年生まれ。瑞陵高校(瑞穂区)在学中に国連の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)にボランティア参加。会議後に学生環境団体「NEO」を設立、昨年はESDユネスコ世界会議にも参加するなど、若者の声を世界に発信しています。