4月にRisa編集長から「河野さん、紙面でエコレシピを書いてみませんか?」と打診があった。
そう言われても本誌で書くのと電子版で書くのとは訳が違う。なにせRisaは毎月50万部以上発行されるわけだから。その上レシピは、これまでなごや環境大学や管理栄養士、団体の代表などが書いていた場所だもの、私とは格が違う。
だから「私で良いんですか?」と尋ねてみた。
すると編集長「河野さんみたいにどこにでもある材料を使ったレシピは読者に受けると思うんです。ただこれまでよりちょっと力を入れて」とおっしゃった。
そしてこの企画には編集長の「なごやの家庭から出る食品ロスを少しでも減らしたい」という思いもあった。企画の少し前、カレーチェーン「CoCo壱番屋」が廃棄を頼んだ冷凍ビーフカツが産業廃棄物処理業者によって横流しされるという事件が起こり、活動に水を差された形ではあるが、食品ロスに対する世間の注目も高まっている。
なにより食べられるのに食品が捨てられるのはもったいない。
すぐにはじめられて誰にでもできるエコクッキングで、なごやから食品ロスが減少したり、食の大切さを伝えられたなら素敵なことだと思った。
そして食品ロスが少なくなれば、その分無駄な開発が減り、自然が温存され、生物多様性が守られる。それはおりがみアクションの活動目的にも合致するし、書かせていただけるのはとても光栄なこと。食品ロスについて何も知らないけれどこれから勉強して行こう。
というわけで環境情報紙Risa6月号紙面にて、「おりがみアクション・河野香織の にじゅうまるエコクッキング」が始まりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
【エコレシピ】ゴボウ、ニンジン、レンコンのきんぴら
「食品ロスを減らすには、まずキッチンから」
そこで、野菜を皮つきのまま丸ごと頂いてみてはいかがでしょうか?
【材料(3~4人分)】
・ゴボウ……2本
・ニンジン…1/2本
・レンコン…5cm
・ごま油…大さじ2杯
・酒…大さじ3杯
・きび砂糖…大さじ3杯
・しょうゆ…大さじ3杯
・ゴマ…少々
- ゴボウ、ニンジン、レンコンはネットやたわしでよく洗います。ゴボウ、ニンジンは斜めに薄くスライスしてから千切りにします。レンコンは4つ割りにし1ミリ程度の薄切りにします。
- フライパンにごま油をいれ中火で熱しごぼうをいためます。軽く火が通ったらレンコン、ニンジンの順にいため、それぞれ軽くなじませます。
- 酒・きび砂糖・しょうゆの順に加え、味をなじませます。最後に白ゴマを加えさっと混ぜたら完成。
【料理ポイント】
定番のゴボウきんぴらにレンコンを加えることで、シャキシャキした食感が楽しめます。
【エコポイント】
野菜の皮の下は、味や香りも良く栄養や食物繊維が豊富なため捨てるのがもったいないくらいです。ネットやたわしで野菜をごしごし洗い、そのまま食べれば栄養も食材も無駄なくとれますね。私は根菜を洗うときよく、おくらの包装に使われている緑色のネットを活用しています。
河野香織(かわの・かおり)
国際自然保護連合日本委員会「想いでつなごう!おりがみアクション」事務局スタッフ。名古屋で開かれた生物多様性条約締約国会議(COP10)で生物多様性を守るため「2020」年までに世界がするべき「20」の目標を掲げた「愛知ターゲット」を達成しようと呼び掛ける「にじゅうまるプロジェクト」とも連携。おりがみや得意の料理を通じて、命の大切さや環境を考えるきっかけづくりをしています。
過去の連載はコチラ→「いただきます」から「ごちそうさま」まで