深谷里奈のエコヂカラ!【第16回】「緑の本屋」は発見がいっぱい!

「最近本屋さんが減って悲しい」。こんなメールをいただくことが増えた昨今、豊川市に新しいスタイルの書店ができたと知り、さっそく行ってみました。

1874(明治7)年創業の老舗書店「豊川堂(ほうせんどう)」が昨年6月に立ち上げた「nido(ニド) by Honey Bee Project」。ミツバチが巣を出たり入ったりするようにたくさんの人が集い、交流してほしいとの思いから、豊川堂6代目のオーナー髙須大輔さんが名付けた店名です。

店内は雑貨とカフェ、本のコーナーがあり、丁寧な暮らしの提案というコンセプトで選ばれた商品が並んでいます。通常の雑誌も置いてありますが、メインはライフスタイルと児童書に特化してセレクト。本棚の背板がないので、光が店内の隅々にまで届いて、明るくすてきな空間です。

緑あふれる店内で、オーナーの髙須さん(右)とスタッフの都筑さん(左)
緑あふれる店内で、オーナーの髙須さん(右)とスタッフの都筑さん(左)

雑貨と本、それぞれゾーンは分かれていますが、雑貨コーナーにも本がさりげなく置かれています。風呂敷など布のコーナーには風呂敷の使い方の本、コーヒーの棚にはコーヒーの歴史の本というように、雑貨目当ての人も自然と本が目に入るよう配置してあるのです。

カフェには地元の有機野菜や果物を中心にしたメニューが並び、カウンター棚にミントなどのハーブが並んでいます。このハーブ、その場でつんでカフェメニューに使うのですが、無農薬で、しかも植物用LEDで育っています。ふと見上げると、天井パイプからも観葉植物が。これらは観葉植物を日本に広めた豊橋市の草分け的な会社が手掛けています。

スタッフの都筑加依子さんは「農産物が豊富で、自然豊かな東三河の魅力を生かしたnidoで仕事するようになり、あらためて地元の良さを再確認しています」と話してくれました。地元は不便で面白いものがないと感じ、25年間名古屋で働いていましたが、nidoのオープンに合わせて帰ってきたら、こんなに魅力的だったなんて!と、地元にほれ直している様子でした。

私もカフェでお茶をして、地元の果物でつくられたジャムや、昔懐かしい亀の子たわしを買った後、海に寄って帰りました。nido で出会った写真集の海の写真に影響されたのかな? 山も海も近く、なんとなく人々もゆったりしているような…。そんなすてきな場所がこんな近くにあるなんて、と私自身も発見でした。今度行くときには、地元野菜をグラスにたっぷり詰め込んだ「ベジタブルパフェ」をいただきたいと思います。

JR飯田線「牛久保」駅から徒歩約20分、豊川市千歳通4-18「アイレクステラス」内。年中無休で営業時間は9:00から20:00まで。TEL 0533-56-7727

本とともにすごすゆったりとした時間。心の栄養になりました!

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fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサー。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は8月3日(水)17:17ごろからの予定!