深谷里奈のエコヂカラ!【第22回】湯たんぽは今も昔もエコ商品

私の地元、岐阜県多治見市は市内各地に窯元があります。笠原ならタイル、市之倉は盃と、それぞれ特色がありますが、中でも高田町では昔から徳利がつくられていました。タヌキが持ってるあの徳利です。1616年に開かれ、昨年400年祭で盛り上がった高田焼きの窯元、「弥満丈欅窯」に伺いました。

現当主は13代目の加藤徹さん。学生時代は現代アートを手がけ、今も工房に作品が飾ってあります。もともと窯焼きの家に生まれ、奥様の生家であるこの弥満丈を引き継ぎました。

江戸時代、酒屋に持ち寄る「通い徳利」で名をはせた高田焼き。時代とともに需要が変化し、昭和には漁業で使う網アシ(魚網につける重り)を生産していました。網アシは漁が終わるとそのまま海に捨てられましたが、それが海の底にかさなって魚のすみかになり、また漁ができました。高田の土は、古代の海藻が土となった珪藻(けいそう)土なので、原料も含めたリサイクルの仕組みだったんです。

今も手づくりの湯たんぽを生産する岐阜県多治見市の高田焼の窯元
今も手づくりの湯たんぽを生産する岐阜県多治見市の高田焼の窯元

そんな高田焼きの通い徳利に、お湯を入れたのがルーツとされる「湯たんぽ」。昔はどこの家庭でも使われていましたが、電化製品の普及とともに廃れていました。しかし、愛・地球博(愛知万博)が開かれた2005年。省エネやリサイクル、エネルギー問題に注目が集まるようになった時代の転機を感じた加藤さんは、昔からある湯たんぽをエコ商品として見直そうと、「湯たんぽ元年」を宣言したのです。

湯たんぽの形は徳利型から、布団の中で転がらないような「かまぼこ型」に変化していきました。それをさらに、高さのあるベッドから落ちないよう、底にドーム状の湾曲を持たせた「動物型(ウサギとハリネズミ)」にも進化させました。また、珪藻土は泥パックや化粧品にも使われる土で、残り湯を洗顔に使うと肌が潤う効果があるとされます。さらに殺菌効果のある酸化チタンも含まれていて、漬物や梅干などの保存食のびんをつくるにはちょうどいい。そんな現代的な機能もアピールし、再び高田焼きの湯たんぽに注目が集まってきました。

「時代が追いついてきたのかな。科学信仰の時代から今、何かがおかしい、自然の持つパワーはすごい!と気づいてきたんじゃないか」と力説する加藤さん。万博以上にエネルギー問題が深刻となった東日本大震災では、東北に1,000個ほどの湯たんぽを提供したそうです。昔から自然と共に暮らしてきた日本。自然に謙虚になること、自分のセンサーを自然に戻すことが大切なのかもしれません。

私も今、足元に「ハリネズミ」を入れて寝ています。電気毛布やシリコンの湯たんぽとは明らかに違い、しっとりとした温かさでじんわ~りと温まります。もちろん朝の洗顔にもお湯を利用していますが、肌に柔らかく感じます。

人気が高まっても、弥満丈の湯たんぽは夫婦2人の手づくり。大量生産にはない、ひなたぼっこのような温かさを感じることができるはずです! かまぼこ型は3,240円、動物型は3,780円(税込み)。TEL 0572-22-1679

yojikara_logo
fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサー。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は2月1日(水)17:17ごろからの予定!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です