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深谷里奈のエコヂカラ!【第37回】「ひとり出版社」の花咲く熱意

瑞穂区の地下鉄桜山駅近くに「桜山社」という名前の出版社があります。区内を流れる山崎川の桜をイメージしたロゴマーク。書店で見かけた方は、地域や自然へのやさしい思いを感じられるはずです。そんな丁寧な本づくりをする出版社で働いているのは、実はひとり! 代表の江草三四朗さんだけなのです。

「桜山社」の代表、江草三四朗さん(右)。手にしているのは秋に出版予定の私の本の原稿!

1978年生まれの江草さんは、大学時代に新聞社やテレビ局でアルバイトを経験。マスコミ志望となり、月刊『KELLY』でおなじみの出版社「ゲイン」に入社しました。しかし、いったん地元の外を見てみたいと東京の「リクルート」に転職。さらに神奈川県の地域新聞社で記者として経験を積み、2015年に名古屋へ戻ってきました。

本が好きで、リクルート時代にも2冊の本を出版したため、出版社を自分でつくりたいと思い立ちます。もちろん周りは大反対!  会社は立ち上げたものの、1年間は出版業界の先輩について仕事の流れを学びました。

今、本って皆さんどうやって買いますか? ネット書店も便利ですが、現実の書店で表紙を見て出合うのもすてきですよね。

でも、その書店と出版社の間には取次会社が入っていて、新刊なら「この書店は何冊くらい売れそう」と、ある程度の数が大手の取次会社から送られてきます。売れ残った本の返本など、取次が入るメリットは大きいのですが、書店が自らこれを売ろうと本に愛情をかけることは難しくなっています。ここに疑 問を持った江草さん。書店や読者から直接注文を受ける「直販」にこだわり、読みたい本、手元に置いておきたいと思ってもらえる本を丁寧につくると決めました(地元の取次会社とは取引しています)。モットーは「今を自分らしく全力で生きる人の思いを大切にします」。

山崎川の桜をイメージしたロゴマーク

そんな桜山社には、主にファクスや電話で注文が入ります。「近くに書店がない」という理由の他に、「大型書店の上階に登るのが面倒」とか「マンション住まいで外出がおっくう」などイマドキな理由も。しかし、なにより「この本が読みたい!」という電話が多いそうですから、その熱意がうかがえます。

著者との交渉から予算管理、編集、印刷、チラシづくり、注文を取るところまで、すべて江草さん一人でこなします。アルバイト時代にお世話になったというCBCアナウンサー、小堀勝啓さんの本を皮切りに毎年1、2冊を出版。今月には地元の画家、河野ルルさんのエッセイ『絵を描くことに恋をして』が発刊されます。

そしてなんと! 秋には私の本が出る予定です!! 本連載のコラムを基に、私の手描きのイラストを入れて、手づくり感満載の本になる予定。「手渡すようにつくっ ていきたい」という江草さんの思いにこたえ、この連載を支えてくださったRisa読者の皆さんのためにも、いい本をつくりたいと思います。お楽しみに!

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fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサーなど。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は2018年5月2日(水)17:17ごろからの予定!

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