深谷里奈のエコヂカラ!【第43回】1杯のコーヒーから変わる未来

毎日のリラックスするひとときに欠かせないコーヒー。最近は豆の産地にこだわったものからひき方、いれ方まで、さまざまに楽しめます。中でも注目の「ルワンダコーヒー」について、9月にオープンした港区の「ららぽーと名古屋みなとアクルス」内の蔦屋(つたや)書店で学んできました。

三重県桑名市のNPO法人「コーヒー生産地と協働する会」に招かれて、ルワンダから来日したのはディビッド・ルバンザンガボさん。世界的なコンペティションで毎年入賞するコーヒーを手掛ける生産者です。

名古屋で講演をしたルワンダコーヒーの生産者、ディビッド・ルバンザンガボさん

ディビッドさんは政府のコーヒー局で働いていた経験を生かし、自らコーヒー栽培をスタート。豆の洗浄工場や加工場を設立して「フイエ・マウンテンコーヒー」というブランドを立ち上げました。フイエというのはルワンダ南部の地名で、フイエ・マウンテンという山の中腹でコーヒーがつくられています。現在は2,500軒の小さな農家をまとめ、年間942トンのコーヒー豆を生産。ディビッドさんは農家と消費者をつなげるために活動しています。

ルワンダでは人口の80〜90%が農業に従事していますが、国民1人の1年間の平均収入は6万円程度。1日1食の生活で、平均寿命50歳という貧困と紛争にあえぐ現実があります。人々は未来を考えるより、今を生きることに精いっぱい。

そんな中で、ディビッドさんはコーヒー販売で得たお金で水道をひいたり、道具や牛を買って生産に役立てたり、若い農家たちにコーヒーや市場の知識を伝えたりし始めました。「いいものをつくれば未来へつながる」「得たお金は貯金をして、次に役立てようという教育をする」ことで若い生産者たちのやる気を伸ばしたのです。

コーヒーの質を管理するためには、生産地を6つのゾーンに分け、豆をそれぞれ混ぜずに出荷することで特色を生かす管理も。ワインのブドウが畑で味が決まるのと似た工夫です。

ルワンダコーヒーが買える千種区の「R art of coffee」でオーナーの寺田孝史さんと

「いいものをつくれば高く売れる。そのお金で現地が幸せになり、コーヒーを飲む人も幸せになる」。ディビッドさんは、そんなサスティナブルな生産の形が大事だと強調しました。

何気なく飲んでいる一杯のコーヒーをちゃんと選んで買う。日本にいる私たちも、そうしたことでディビッドさんのような人たちのサポートができます。NPOの会員には、コーヒー焙煎(ばいせん)業者やコーヒー店主の他、青年海外協力隊でルワンダに派遣され、2年間土壌の研究をしたという人も。そうしたメンバーのサポートで、現地の収穫量はアップ。日本でもルワンダコーヒーをおいしく飲むことができるのです。

海外の生産者に直接会い、そのコーヒーを楽しむ…これこそ新しいものの買い方! ディビッドさんのコーヒーは認証ラベルなどはありませんが、フェアトレードの商品です。会場となった蔦屋書店内のカフェ「adedge(アデッジ)」をはじめ、千種区の「R ART OF COFFEE(アールアートオブコーヒー)」では100㌘918円で販売。詳しくは「ルワンダ フイエ・マウンテンコーヒープロジェクト」でネット検索を。

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fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサーなど。毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本連載をまとめた書籍『エコヂカラ!』(桜山社)が好評販売中です!

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