深谷里奈のエコヂカラ!【第46回】奥深くて幅広い「かたくち」の魅力

食器愛がとまらない深谷家の食器棚…すでに満員状態なんですが、またすてきなものに出合ってしまいました! それは、片口。「片方に注ぎ口がある器、だからかたくち」。この簡潔な説明は、片口を扱う、その名も「かたくち屋」さんの言葉です。

大きさも素材もさまざま。もともとは樽(たる)から調味料を入れて、びんに移しかえる際に使っていた器。かたくち屋さんは調味料や日本酒を注ぐだけでなく、おかずを盛りつけたり、花を生けたりと幅広い使い方を提案しています。

片口の魅力を伝える「かたくち屋」の大屋みえさん

店主は大屋みえさん。夫婦そろって家具や器が好きで、自宅を彩るさまざまな器を作家の工房に出向いて集めていました。2000年の初めごろ、瀬戸の陶芸作家を紹介する商店街ギャラリーの運営に参加。作家ものの器を目の前にしているうちに「自分で選んだものを集めたい!」と思い立ち、04年にオンラインショップをオープン、16年には久屋大通のビルの一室に店舗を構えました。

器の中でもなぜ片口に絞ったのかを聞くと、「お酒が好きで、飲むときに片口が“相手”をしてくれるんです」と…なぞの答え(笑)。

日本酒を徳利(とっくり)に入れてもいいのですが、片口に入れると、くちばしのようにツンととがったフォルムがまるで小鳥のようで「お酌(しゃく)の相手をしてくれている」ような気持ちになる。さらに、中に入れた液体の表面に広がる水紋や量を目で見ていると、動きのある「ライブ感」が味わえるというんです。確かに主婦目線で見ても、片口なら中が洗いやすいし、いろんなものに使えるかも…と想像がふくらみます。

私も有田焼の一品を購入!

店には片口に合うお盆やつまみ用の小皿など、片口のあるシーンを演出できるものが並んでいます。客は男女半々。意外なことに、用途としては3分の1が「中国茶」用。中国茶は急須に湯を注いだあと、茶海(ちゃかい)と呼ばれる片口のような器に移し替えてから湯飲みに注ぐ作法があります。そのため中国からの客も多いそう。また、抹茶を大きめの片口でたててカップに注ぎ分ける「抹茶カフェ」も増えるなど、新しい使い方が広がっています。

片手で気軽に注げる片口ですが、最後のほうは水切れが悪く、液体がつたってしまうことも。しかし、それも含めての魅力。お盆を敷いたり、小さなふきんで片口をふいたりするのを、茶道の所作のように楽しめたらすてき…。みえさんの話を聞いていたら私も使いたくなって、有田の豊増一雄さんの染付けを一つお願いしました。家ではもっぱら花を生けています。

5月5日(日)から14日(火)は店内で「『片口』で愉しむお茶時間展」を開催。5月2日、3日には千種区本山のレンタルスペース「FLOAT」で日本茶デザイナーsachiさんによるワークショップ&喫茶が開かれます。新しい楽しみに触れるチャンスです!

かたくち屋
中区錦3-6-7 服部ビル3階(地下鉄久屋大通駅徒歩3分)
TEL 052-971-0223
日曜11:00〜18:00、月・火曜13:00〜19:00、水〜金曜は予約制。

 

fukaya_profile深谷さん担当の東海ラジオの番組が時間帯を移してリニューアル! その名も「山浦!深谷!イチヂカラ!」。毎週月〜金の13:00〜16:00オンエア。Risa発行週の火曜日には本連載を紹介する「エコヂカラ!」コーナー(なごや環境大学提供)もあります!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です