毎朝、手づくり野菜ジュースを飲んでいます。ここに欠かせないのがはちみつ! しゃべる仕事なのにのどが弱い私は、殺菌力が強いという「マヌカハニー」(ニュージーランド産の「マヌカ」の花からつくられるはちみつ)も常備。はちみつには結構詳しいつもりでした…が! 先月7日、名古屋で開かれた「みつばち会議」で勉強し直してきました。
会場となった千種駅近くの「空色曲玉」は、築130年の米蔵だった建物を改装したオーガニックカフェ。素足から木の床のひんやりした感触が伝わります。
ミツバチは植物の受粉を手伝う、豊かな環境づくりの担い手。でも近年、農薬や環境の変化によって姿を消してしまっているとも言われます。そんなミツバチの現状を訴えようと、オーナーの谷陽子さんの呼び掛けで集まったのは、名古屋市在住のイラストレーター、茶畑和也さんをはじめ愛知や岐阜、長野などで養蜂に取り組む5人。日焼けしてたくましそうな男たちばかりでしたが、そろいのTシャツはミツバチを思わせるかわいい縞模様。「会議」といってもくだけた感じのトークを、私たち40人ほどのギャラリーがドリンク片手に聞き入り、質疑応答するというイベントでした。
岐阜県多治見市の養蜂家で「APIS LIFE(アピスライフ)」代表の吉澤大志さんは、東濃地方でニホンミツバチが集めた蜜を採っています。セイヨウミツバチがレンゲやアカシアなど1種類の花から蜜を集めるのに対し、ニホンミツバチはさまざまな花からちょこまかと集めて、いわゆる百花蜜をつくります。吉澤さんのはちみつも採蜜する場所ばかりか、巣箱一つ一つですべて味が違うんだそうです。食べ比べてみたい〜と思ったら、会議の合間に外国産から国産まで、何種類ものはちみつの味比べができました。吉澤さんのはちみつは、さわやかな甘味がクセになりそうでした!
しかし現在、市場に流通しているはちみつは、ほとんどがセイヨウミツバチ由来。明治時代に輸入されたセイヨウミツバチが、ニホンミツバチに比べて5~10倍の蜜を採れるからです。しかも、ただでさえ貴重なニホンミツバチは、近くの畑で農薬が散布されると死滅してしまいます。住宅街では隣の除草剤でやられてしまうことも…。周りの人々にも協力してもらわないと、ミツバチは生きていけないんですね。
スズメバチに刺されるなど、命にかかわる経験をしながらも、「ハチを語りだすと止まらない」とそれぞれ濃〜いキャラクターの参加者たち。はちみつも人間も「多様性」を感じた一日でした!
ふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサー。昨年10月から毎週月〜金16:00〜17:45に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は7月29日(水)17:15ごろの予定!
深谷里奈のエコヂカラ!【第1回】毎日に「ひと工夫」と「カワイイ」を