コラム第7回は父娘の思い出、ほんのりしょっぱく

【第7回】父のぞうすいは誰のため?

小さいころ、鍋の最後につくるぞうすいが好きだった。

鍋よりもむしろ、肉や野菜のだしが染み込んだぞうすいのほうが楽しみなぐらい。

ぞうすいを仕切るのは、決まってお父さんの役割。

ふつふつと米が花開くのを待ち、あんばいを加減して、とき卵を回し入れ、ふたをして少し蒸らす。すると、ふわっと湯気が立ち上り、黄色いぞうすいが出来上がる。

 

ある日、私はお魚の鍋を食べた後、いつものようにぞうすいが始まると思った。

だから、片づけ始めた母に「ぞうすいは?」と聞いた。

すると「まだ食べるの? お魚のときは臭いから、ぞうすいにはしないのよ」と、あまり乗り気ではない。

そうしたら、父が「ええやん、わしも食べたいから」と言った。

お母さんは、「お父さんも食べたいのなら」と、しぶしぶ準備をしてくれた。

お魚のぞうすいもやっぱりおいしかった。

「お魚でも、おいしいよ」と言ったけれど、結局食べたのは父と私だけ。

その父も、いつもみたいに何杯もお代わりはしなかったから余ってしまった。

(お父さんも食べたかったはずなのに、おかしいな)

 

その後、結婚し子どもができた。だし好きの息子は、お腹いっぱいだけれどもやっぱりぞうすいまで食べたいと言い張る。

そのときになり、(ああ、お父さんは私のために、食べたいと言ってくれたのだ)と気がついた。

でも、やっぱり本当は食べたかっただけかもしれない。

今度、聞いてみよう。

07.ぞうすい 【ぞうすい 3人分】

★だし汁           ・・・5カップ

★炊いたお米  ・・・3杯

★卵                 ・・・2個

★塩                 ・・・小さじ1/2杯

★しょう油        ・・・小さじ1杯

★ミツバ・ネギなど和のハーブ・・・少々

①    だし汁に米を入れます。弱火でふつふつと米が花開いたようになるまで待ちます。

②    塩小さじ1/2、しょう油小さじ1さじを入れ、よくといた卵を回し入れます。

③    火を止め、ふたをして1分ほど蒸らします。

kaorin

河野香織(かわの・かおり)

国際自然保護連合日本委員会・想いでつなごう!おりがみアクション事務局

日本の伝統文化「おりがみ」を通じ、「愛知ターゲット」と「生物多様性」の大切さを伝え、子どもたちに環境について考えるきっかけづくりをしています。

 

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