【第9回】ミツバのおじいちゃん
「ミツバは、和のハーブ」そう言っていた、あるおじいちゃん。
いつも夢を語り、ミツバの水耕栽培に人生をかけていた。
おじいちゃんは、自分のリミットを感じたある日「今の若者に、夢を伝えたい」そう思ったらしい。
そして「生涯を本にしよう」と、これまでの出来事を語り始めた。
ひょんなことから私が駆り出され、出版にまつわる雑用をさせていただくことになった。
毎日毎日、1カ月も関わっていたものだから、私はやたらとミツバの水耕栽培に詳しくなってしまった。
そして、会ったことはないのだけれど、その独特な考えに随分と深く影響を受けていた。
だから私も、おじいちゃんの思いが本になるといいなと思っていた。
春が近づくころ、おじいちゃんのリミットもどんどん近づいて、急ピッチで作業は進んだ。
ところが、出版までもう少しというところで、おじいちゃんはお亡くなりになられた。
最後まで「本は、どうなった」と気がかりだったらしい。
それ以来、私はミツバを見ると、おじいちゃんを思い出す。
【ミツバともやしのサラダ】
★ミツバ・・・1把
★もやし・・・一袋
★ごま油・・・小さじ1杯
★塩 ・・・小さじ1/2杯
★しょうゆ・・小さじ1杯
★砂糖 ・・・小さじ1杯
★鷹の爪・・・1個
①フライパンを熱します。熱くなったところでもやしを入れささっと炒めます。そしてふたをし1分ほど余熱で蒸します。
②ミツバをざく切りにします。
③ごま油、塩、しょうゆ、砂糖を合わせ、調味液をつくります。
④ミツバ、もやし、調味液を混ぜ合わせます。
河野香織(かわの・かおり)
国際自然保護連合日本委員会・想いでつなごう!おりがみアクション事務局
日本の伝統文化「おりがみ」を通じ、「愛知ターゲット」と「生物多様性」の大切さを伝え、子どもたちに環境について考えるきっかけづくりをしています。