味わい深く…河野さんコラム第12回は筍の煮物とばあちゃんの思い出

【第12回】筍は祖母の便り

子どものころ、春になると祖母から、いつもどっさり筍(たけのこ)が送られてきた。

筍とわかめの煮物。

私は、それが大好きで、ぼりぼりと食べていた。

中学生ぐらいになると、筍は送られてこなくなった。

理由を母に聞けば、「京都の知人から、筍がもらえなくなったから」だと教えてくれた。

きっと祖母も体が弱っていたのだろう。

大人になってから自分でも作ってみるけれど、あんなにおいしくはできない。

春、筍を食べるとふと気づく。

当たり前が、実は貴重なことなのだと。

12.筍の煮物 【筍の煮物】

★筍・・・2~3本

★ぬか・なければ米のとぎ汁で代用が可能

★鷹の爪・・・1本

★だし汁・・・500cc

★さとう、しょう油、酒・・・大さじ2杯

★塩・・・小さじ1杯

★ワカメ・・・2房

☆エコな下ゆで☆

①    筍を、たっぷりのぬか汁で沸騰するまでゆでます。

②    バスタオルなどで、鍋をしっかり包み、1時間30分以上そのままにします。

③    そのまま冷まします。

☆わかめと筍の煮物☆

①    わかめを水で戻します

②    もどしたわかめは5cmほどに切っておきます。

③    だし汁に調味料を入れ、沸かします。

④    一口に切った筍を入れ、5分ほど煮ます。

⑤    さましながら、味を染み込ませます。

⑥    ワカメを入れ、さらに5分ほど煮ます。

kaorin

河野香織(かわの・かおり)

国際自然保護連合日本委員会・想いでつなごう!おりがみアクション事務局

日本の伝統文化「おりがみ」を通じ、「愛知ターゲット」と「生物多様性」の大切さを伝え、子どもたちに環境について考えるきっかけづくりをしています。

 

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