【第16回】金木犀の香りと甘々カボチャ
息子が幼稚園の時「いいにおいがする」と、ポケットからいっぱいオレンジ色の花を取り出した。きっと公園から、香りを持ち帰りたくなって道路一面に落ちた金木犀(きんもくせい)の花を拾って来たのだろう。内心、掃除に困るなあ…と思いながらも、大きくふくらませた鼻で、幸せそうな顔で香りをいっぱいに吸いこむから怒らずにいた。それから息子は「においが逃げちゃう」と焦ったように言うから、香りはすぐ消えてしまうと知っていたけれど、それで気が済むならとチラシで小さな箱を作り、トイレの隅に置いておいた。
私も少女時代、実家にある金木犀が香り始めると、もう秋なんだなあと、季節の変化を感じたものだ。金木犀は無数の小さいオレンジ色の花を咲かせ、その鮮やかな色も目を引くけれど、やはり香りから先に存在を感じとる。今でも香りをかぐと、誘われるようにふらふらと、どこにあるのか探してしまう。
小学校に入ってからも息子は同じことをしてきた。「あんた、まだやってるの?」と、口ではあきれたふりをしながらも、かわいいと思ったものだ。
でも、いつのころからか息子は、秋になっても金木犀の花を持ち帰らなくなった。
だんだんと、付ける花の数が減ってしまった実家の金木犀の木は、それでもまだ今年もオレンジ色の花を咲かせてくれた。
年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず
【甘甘カボチャ】
★カボチャ ・・・1/4個
★水 ・・・100cc
★醤油 ・・・大さじ1杯
★砂糖 ・・・大さじ2杯
①鍋に水と醤油、砂糖、切ったカボチャを入れ中火にかけます。
②沸騰したら火を弱くし、ふたをして5分ほど煮ます。
③串で刺してすっと通ったら火を切り、余熱でふっくらとさせます。
☆かぼちゃのワタの活用法
スプーンでくり抜いた後のワタ、みなさんどうされていますか?
種をこそげ落とした後のワタは、レンジでチンしてホームベーカーリーの材料とともに入れれば、きれいなカボチャ色のパンが出来上がります。さらに種は、ハムスターなどのえさになります。もちろん人が食べてもおいしいです。
種もワタも、カボチャの実より栄養があるそうですよ。ぜひ、お試しください。
河野香織(かわの・かおり)
国際自然保護連合日本委員会・想いでつなごう!おりがみアクション事務局
日本の伝統文化「おりがみ」を通じ、「愛知ターゲット」と「生物多様性」の大切さを伝え、子どもたちに環境について考えるきっかけづくりをしています。