河野さんコラム第17回、不思議な月夜にいただくカブの煮物

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【第17回】月がついてくる

多分あれは2歳か3歳のころ、夜道を歩いていると月が後ろからついてきた。

少し歩いてから振り返っても、まだ月はついてきていた。

そのころの私は少し抜けていて、月も人と同じように生きており、上の方から人間を見守っているのだろうと思っていた。

そのせいか、ついてきてくれる月は、きっと私のことが好きなのだろうと思った。

子どもだったから、なんとなく自分が特別な存在のような気がして、そのことがうれしかった。

けれど、うぬぼれているようでちょっと気恥ずかしく、一緒にいた家族には「月がついてくる」とは言わないでいた。

でも、それからなんとなく、月に愛され続けるため良い子で過ごそうと思った。多分一人でいるときなんか、月に向かって心の中でしゃべっていたと思う。やはりかなり抜けていた(笑)。

もちろん、錯覚であったのだけれど、きっと当時の私にとって、月から見守られていると感じることは、少しばかりの支えになっていた。

なかなか生きづらい世の中だけれど、自分が誰かに愛されながら見守られていると思えることは、小さい存在の生きる支えになる。

逆に言えば、大人が小さい存在を見守ることが必要ということなのだろう。

17.月がついてくるCOPかぶ

【カブの煮物】

カブのおいしい季節です。だしをたっぷりと材料に染み込ませる「含め煮」にしてみました。ほっこりと体が温まります。

★カブ ・・・ 3個

★だし ・・・500cc

★塩 ・・・小さじ1/2

★しょうゆ ・・・小さじ1

★砂糖 ・・・小さじ1

★カブの葉・・・適量

① 鍋にだしと塩・しょうゆ・砂糖、皮をむき8等分にしたカブを入れ中火にかけます。

② 沸騰したら火を弱くし、ふたをして5分ほど煮ます。

③ 火を切り、冷ましていく過程でだしをカブに吸わせます。

④ 葉は煮すぎないよう、温め直す際に入れます。

【COPとCBD/COP】

さて、11月30日からパリで第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)が始まります。

同じCOPという名の会議なので混乱しやすいのですが、2010年に名古屋で開催されたCOP10は生物多様性条約締約国会議となり、今回のCOP21とは別の流れとなります。

ですが略名も一緒、開催時期も秋、話し合われる内容も地球の未来についてと、2つのCOPはよく似ています。

区別のため、生物多様性条約締約国会議の方にCBD(Convention on Biological Diversityの略)とつけ、CBD/COPと表記されることもあります。

CBD/COP10からちょうど5年が経ち、そのとき締結された愛知ターゲットの目標年である2020年まで折り返しの時期となりました。

おりがみアクションは11月29日、名古屋市千種区の東山動植物園で「タイムカプセル・プロジェクトin東山総合公園2015」を開催し、CBD/COP10の想いを皆さまにつなぎます。

皆さまも、美しい地球をいつまでも未来の子どもたちへ残すための活動にぜひご参加ください。

詳しくは、おりがみアクションのサイトで。

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河野香織(かわの・かおり)

国際自然保護連合日本委員会・想いでつなごう!おりがみアクション事務局

日本の伝統文化「おりがみ」を通じ、「愛知ターゲット」と「生物多様性」の大切さを伝え、子どもたちに環境について考えるきっかけづくりをしています。

 

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