深谷里奈のエコヂカラ!【第12回】取っ手から生まれたとっておき!

昨年8月号の本欄で紹介した江南市の「靴下のhacu(はく)」。店内で天然素材の靴下などと並ぶ、かわいらしい木の人形を見かけました。何ともいえない丸みとつぶらな瞳に魅せられて、その人形をつくる工房まで押しかけてしまいました!

岐阜県各務原市の小高い山の中腹、住所もそのまんま山の前にある「山の前製作所」。佐伯友裕さん、知子さん夫妻が営む家具製造販売の工房です。

養鶏場だった建物で、自然の光と風がいっぱい。冬は寒く、夏は暑いというアウトドアな状況ですが、春になるとその隙間から桜の花びらがはらはらと舞い落ちて、それは美しいのだそうです。取材の日も、きらきらと暖かな日差しが入り、まきストーブ(もちろん、燃料は端材)の暖かさと相まって、すてきな空間でした。

工房で「ほろほろ人形」をつくる佐伯知子さん(左)と
工房で「ほろほろ人形」をつくる佐伯知子さん(左)と

hacuに並んでいたかわいい人形は「ほろほろ人形」と呼ぶそうです。つくっているのは知子さん。8年前、仕事をやめて家具職人の修行を始めた友裕さんについて、高山へ引っ越しました。身の回りにはたくさんの木材があるという環境。もともと手づくりが大好きだった知子さんは、端材を使って鳥などを彫り始めました。

その後、娘さんが生まれ、地元の各務原に工房を構え独立。工房で開催する木工教室の生徒さんが、「失敗作」としていた引き出しの取っ手に、知子さんがふと顔を描いてみたら…か、かわいい(目がハート)! 自分自身がほしいと思えるほどのかわいらしさ。それから、家具製作で出る端材を使って人形を生み出すようになりました。

端材は大きさも材質も木目も一つ一つ違います。「その表情を生かして、ほろほろ人形にしていく過程が楽しい」と知子さん。カエデ、クルミ、ナラなど、色味もさまざまな木が人形になって並んでいると、人間と一緒で、みんな違って表情豊か。同じものはできない、というかつくれないんだそうです。

ほろほろ人形ができたとき、きっちりした家具をつくる職人肌の友裕さんは、「よさがわからん!」と一言。でも、一番にファンになってくれたのは小さい娘さんでした。今では老若男女に大人気! 手づくりのため、制作が追いつかないそうですよ。価格は1,800〜4,000円ほどです。

里山の自然に囲まれた工房。桜の季節がおすすめ!(同製作所提供)
里山の自然に囲まれた工房。桜の季節がおすすめ!(同製作所提供)

工房の南には、市が保存する立派な桜並木があり、春はさぞきれいだろうな~という環境。毎年、桜の咲くころ「yamanomae spring」というイベントを開催。4回目の今年は4月2日(土)、3日(日)各11:00~16:00に、ほろほろ人形の直売やhacuの靴下の出張販売、地元のおいしいものが並びます。桜のタイミングが合えば、最高ですね!(工房にはお手洗いがありませんのでご注意を)

問い合わせは同製作所(TEL 070-5440-2411、Eメール info@yamanomae.com)。ウェブサイトで人形の画像も見られます。
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fukaya_profileふかや・りな 岐阜県多治見市出身、名古屋芸術大学声楽科卒業後、1996年から東海ラジオアナウンサー。毎週月〜金16:00〜19:00に「山浦・深谷のヨヂカラ!」を担当。本コラムをラジオでお届けするコーナー「エコヂカラ」は3月30 日(水)17:17ごろからの予定!

 

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